【滞納2ヶ月でも契約解除は可能?】 弁護士が裁判例で解説する「家賃トラブル」最新判断基準

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店長恋水

こんにちは!KOBE(神戸)売却ナビの恋水です。

「家賃を2ヶ月滞納しているけれど、もう契約解除できるのか?」
「少額だけ入金して誤魔化してくる入居者…これは悪質なのか?」
「保証会社が代位弁済していても解除は可能?」

賃貸経営の中でも 家賃滞納トラブルは最もストレスの大きい問題 のひとつです。しかも、単純に「●ヶ月滞納したら解除できる」というほど簡単ではありません。実は、裁判所が重視するのは滞納月数ではなく “信頼関係が破壊されたかどうか”。今回は、弁護士による実際の裁判例をもとに、滞納2ヶ月でも解除が認められたケース/3ヶ月滞納でも認められなかったケース を解説し、
オーナーが取るべき適切な対応をまとめます。

家賃滞納で契約解除が認められる基準とは?

賃貸借契約では、家賃の支払いは入居者の最も重要な義務 です。しかし、1回でも遅れたら即解除できるわけではありません。裁判所が基準にしているのは、

「信頼関係破壊の法理」

入居者の行動が、貸主と借主の信頼関係を完全に壊すほど重大かどうか
——これが判断のポイントになります。そこで、裁判実務では

おおむね“3ヶ月分の滞納”で信頼関係は破壊されたと判断されやすい

という基準が形成されています。しかし、これはあくまで「目安」。以下のような事情があれば、3ヶ月未満でも解除が認められることがあります。

  • 一方的な減額支払い

  • 少額だけ入金して誤魔化す

  • 不当なクレームで支払いを拒否

  • 管理会社への迷惑行為

  • 故意の支払い遅延

  • 代位弁済に依存した支払い拒否

逆に、3ヶ月滞納していても解除が認められない場合もあります。


【裁判例①】滞納2ヶ月でも契約解除が認められたケース

●東京地裁 平成29年5月25日判決

この事案では、入居者の滞納は2ヶ月分でした。しかし裁判所は「解除有効」と判断しました。理由は以下の通りです。

▶ ① 入居者が5ヶ月間「勝手に1万円ずつ減額して入金」

「管理費が高い」という理由で、契約と無関係に独断で減額。これは非常に悪質。

▶ ② 保証会社の代位弁済に依存し、本来の賃料を支払う意思がない

保証会社が払ってくれているから…と甘えて支払わず。

▶ ③ 管理費減額などの不当要求を繰り返し、オーナーと管理会社を困らせた

トラブルメーカーであり「背信的」と判断。

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結果

滞納は2ヶ月分でしたが、★「信頼関係は破壊された」と認定→ 契約解除&明渡し命令が下されました。

【裁判例②】滞納3ヶ月でも解除が認められなかったケース

●東京地裁 平成25年4月16日判決

この事案では滞納は3ヶ月分。原則なら解除が認められてもおかしくありません。しかし裁判所は「解除無効」と判断。理由は以下の通り。

▶ ① 滞納の翌日に全額(3ヶ月分)を一括で支払った

解除通知の翌日にまとまった入金があり、「支払う意思がないとは言えない」と判断されました。

▶ ② 賃料減額調停が進行中であり、話し合いの最中だった

完全な悪意の滞納ではなかった。

結果

→ この時点では「信頼関係破壊」とまでは言えず、解除無効。ただしその後…

▶ 再び滞納

▶ 6万円の少額入金のみ
▶ 長期不払いを続けた

最終的には 再度の解除通知を有効とし、明渡し命令 が下されています。

滞納何ヶ月で解除できる?

結論は

★「滞納3ヶ月」は目安であり、絶対基準ではない

★大事なのは“滞納の態様”と“背信性の証拠”

契約解除を確実にするために、オーナーが今すぐやるべきこと

裁判でもっとも重要なのは

▶「証拠の積み重ね」

です。以下は必ず残してください。

✔ 電話・会話の録音

「明日払います」→払わない
「管理費が高いから払いません」
こうした発言は“背信性の証拠”になります。

✔ 少額入金・遅延歴の記録

毎月2,000円ずつなどの入金は悪質と判断されやすい。

✔ 不当要求・クレームのメール・LINE

減額要求や逆ギレ行為は証拠に。

✔ 管理会社とのやりとり

「入居者から連絡がつかない」「暴言があった」などの記録。

✔ 解除通知の履歴

催告 → 通知 → 入金確認のフローが重要。

最後に:早めの専門家相談が、結果を大きく変える

滞納トラブルは、「まだ様子を見るか…」と後回しにすると悪化し、回収不能になるケースが多くあります。特に以下の状況は要注意です。

  • 少額入金を続ける

  • 不当要求を繰り返す

  • 保証会社に依存

  • 連絡が取れない

  • 約束の未履行が続く

こうしたケースは、裁判上「背信的」と判断されやすく、
2ヶ月滞納でも解除が認められる可能性があります。

神戸で滞納トラブルに悩むオーナー様へ

当社では、
✔ 解除通知・催告のタイミングアドバイス
✔ 裁判例に基づく実務判断
✔ 売却・運用整理のご提案
なども可能です。

「今の入居者は解除できるのか?」
「証拠をどう残すべきか?」
「保証会社付きでも対応できるのか?」

気になる場合は、お気軽にご相談ください。

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