
こんにちは!KOBE(神戸)売却ナビの恋水です。
2024年、東京都板橋区の築古賃貸マンションで発生した「家賃2.5倍値上げ通告事件」は、賃貸業界に大きな衝撃を与えました。
中国系企業オーナーが、家賃を月額7万2500円から17万5000円へと強引に引き上げた上、エレベーターの停止などの強硬策に出たこの件では、住民の約4割が退去または退去を決意。
さらに、当該物件では無許可での民泊利用も発覚し、メディアでも連日取り上げられる事態となりました。
この事件は単なる“トラブル”ではなく、「これからの不動産売却・投資・管理におけるリスク」と「売主・仲介業者としての責任」を改めて突きつけるものとなっています。
「まだ大丈夫」と思っていませんか?外壁点検が資産価値と満室経営のカギに
築22年、30世帯のアパートを所有する神戸市内の不動産オーナー様から、こんなご相談がありました。
「外壁はサイディングで雨漏りもないし、まだ塗装などにお金をかける必要があるとは思えないのですが…」
このように“目に見える問題”がないと、つい後回しにしがちな外壁点検。しかし実は、見落としがちだからこそ「外壁メンテナンス」は収益物件の資産価値を左右する非常に重要なポイントです。
■ なぜ外壁の点検が必要なのか?
外壁は日々、紫外線・雨風・気温変化などの自然環境にさらされ続けています。どれだけしっかりと施工された外壁でも、年数が経過すれば必ず劣化します。
とくに、サイディング外壁やモルタル外壁のような塗装仕上げの外壁材は、使用する塗料によって耐用年数が異なります。
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ウレタン塗料:7〜10年
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シリコン塗料:10〜15年
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フッ素塗料:15〜20年
しかしこれはあくまで「目安」であり、立地や環境(海に近い、日当たりが良すぎる、周辺の大気環境が悪いなど)によっては、耐用年数よりも早く劣化が進むこともあります。
■ 外壁劣化の見えないリスクとは?
「雨漏りしていないから問題ない」と思われがちですが、外壁の劣化は以下のような“内部の見えないダメージ”につながるリスクがあります。
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コーキング(目地)のひび割れ → 雨水が壁内部へ侵入
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外壁塗膜の劣化 → カビ・コケの繁殖、下地腐食
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ひび割れ(クラック) → 建物の耐久性低下
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構造体への水分侵入 → シロアリ被害や木部の腐朽
これらが進行すると、修繕費は数十万〜数百万円規模になることも。事前に定期的な点検とメンテナンスをしておけば、補修で済むものも、放置によって「大規模修繕」になるケースは少なくありません。
■ 外観の劣化は“内見離脱”の原因に
収益物件においては、「外観の印象=内見率」に直結します。
いくら室内をおしゃれにリフォームしていても、第一印象で「古びた建物だな」と思われた瞬間、内見すらされないことも。
つまり、外壁は「入居者を呼び込む最大の広告」ともいえるのです。逆に、外壁が清潔感があり管理されている印象を与える物件は、入居希望者に安心感を与え、空室対策にも非常に有効です。
■ 点検の目安とチェックポイント
【築10年以降】
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5年ごとの定期点検が推奨されます。
【築20年以降】
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3年ごとの点検、または異常を感じたら早急な診断を。
【オーナー自身でもできる点検項目】
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外壁のひび割れ
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コーキングのひび割れや剥がれ
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チョーキング現象(手に白い粉がつく)
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塗装の色あせ・はがれ
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カビ・藻・コケの付着
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外壁材のズレや浮き
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錆の発生や金属腐食
こうした異常を見つけた場合は、信頼できる業者に診断を依頼し、必要に応じて部分補修や塗装工事を検討しましょう。
■ メンテナンスは「支出」ではなく「投資」
外壁点検や補修は一時的に見れば出費ですが、長期的に見ると「資産価値維持」と「満室経営」を守るための重要な投資です。
とくに築20年以降の物件は、家賃収入が下がりやすい時期と大規模修繕が必要な時期が重なります。このタイミングで適切にメンテナンスしておけば、
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家賃の下落抑制
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入居者の満足度向上
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売却時の査定アップ
といった大きな効果が期待できます。
■ 外壁の管理を怠ると「売却時」にも悪影響
不動産売却を検討する際、購入希望者や不動産会社は物件の状態を重視します。見た目の印象が悪いだけでなく、「今後大規模修繕が必要」と判断されれば、買い手は敬遠し、価格交渉にも不利になります。
日常のメンテナンスが、将来の売却価格に直接関わるという意識を持つことが大切です。
■ まとめ|外壁点検を資産防衛の第一歩に
築20年以上の収益物件を所有するオーナー様にとって、外壁点検・補修は避けては通れないテーマです。
「まだ壊れていない」ではなく「壊れる前に備える」意識で行動することで、以下のような結果が得られます。
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収益の安定化
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空室リスクの軽減
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将来の売却価値アップ
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修繕費の平準化
神戸で収益不動産を所有されている方、今が外壁メンテナンスの見直し時かもしれません。まずは一度、物件の状態チェックから始めてみませんか?