空室対策は「家賃を下げる前」に原因分析を|ファネル分析で考える賃貸経営のはじめの一歩

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店長恋水

こんにちは。神戸の不動産会社「ミリオン観光」店長の恋水です。本日は、神戸で賃貸経営をされているオーナー様に向けて、空室が長引いたときにまず見直すべき「ファネル分析」という考え方についてお話していきます。空室期間が長くなると、つい「家賃を下げた方がいいのではないか」「広告料を増やした方がいいのではないか」「思い切ってリフォームをした方がいいのではないか」と考えてしまいがちです。もちろん、家賃の見直しや条件変更、室内の改善が必要なケースもあります。しかし、空室の原因をきちんと分解しないまま対策を打ってしまうと、効果の薄いところにお金をかけてしまうことがあります。たとえば、本当はポータルサイトで物件が見られていないだけなのに、室内クロスを張り替えてしまう。
本当は内見時の共用部の印象が悪いだけなのに、家賃を下げてしまう。本当は初期費用が高く見えているだけなのに、大きなリフォームをしてしまう。こうした判断は、結果としてオーナー様の手残りを減らしてしまいます。空室対策で大切なのは、まず「どこで止まっているのか」を見極めることです。今回は、入居希望者が物件を見つけてから成約に至るまでの流れを分解し、最小限のコストで空室期間を短くするための考え方を解説していきます。

空室対策は“感覚”ではなく“数字”で考える時代へ

これまでの空室対策は、どうしても経験や勘に頼る部分がありました。

「このエリアならこの家賃で決まるはず」
「広告料を増やせば反響が増えるはず」
「壁紙を変えれば印象が良くなるはず」

もちろん、現場の感覚も大切です。ただ、今の賃貸市場では、ポータルサイト上で比較される時間が圧倒的に長くなっており、入居希望者の行動も以前より見えやすくなっています。

物件詳細ページがどれだけ見られているのか。
問い合わせがどれだけ入っているのか。
内見まで進んでいるのか。
内見後に申し込みが入っているのか。

こうした流れを数字で追うことで、空室の原因はかなり正確に見えてきます。この考え方が、マーケティングでよく使われる「ファネル分析」です。ファネルとは、入居希望者が物件を知り、比較し、内見し、申し込みに至るまでの流れを段階的に見る考え方です。

空室を一言で「決まらない」と捉えるのではなく、
「見られていないのか」
「見られているが問い合わせがないのか」
「内見はあるのに申し込みがないのか」
に分けて考えるのです。

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第1の課題|WEB閲覧数が少ない場合は「認知・検索」の問題

まず最初に見るべきなのは、ポータルサイト上で物件詳細ページがどれだけ見られているかです。入居希望者の多くは、まずSUUMOやHOME’S、アットホームなどのポータルサイトで条件検索をします。ここで物件詳細ページの閲覧数、つまりPV数が極端に少ない場合、その物件はまだ入居希望者の比較対象にすら入っていません。この段階で室内の壁紙を変えたり、設備を入れ替えたりしても、そもそも見られていなければ効果は出にくいです。

PV数が少ない原因として多いのは、検索条件から外れていることです。駅徒歩、築年数、賃料、間取り、設備条件など、入居希望者が検索時に設定する条件に引っかかっていなければ、一覧画面に表示されにくくなります。また、一覧画面に出ていたとしても、サムネイル写真が暗かったり、外観写真が古く見えたり、部屋の魅力が伝わらない写真になっていると、クリックされずにスルーされます。神戸の賃貸市場でも、同じエリア内で物件数が多い場合、一覧画面での第一印象がかなり重要になります。
三宮、灘、東灘、兵庫区、長田区など、競合が多いエリアほど、最初の写真で負けてしまうと詳細ページまで見てもらえません。この段階で有効なのは、いきなり家賃を下げることではなく、まず「検索される状態」と「見られる状態」を作ることです。具体的には、無料インターネット、宅配ボックス、モニター付きインターホンなど、検索条件に引っかかりやすい設備を追加する。
また、物件写真を明るく撮り直し、サムネイルで印象が良く見えるようにする。
周辺環境や生活利便性も写真やコメントで補足し、入居希望者がクリックしたくなる情報に整える。こうした改善は、大規模リフォームに比べると費用を抑えやすく、反響改善につながりやすい対策です。

第2の課題|見られているのに問い合わせがない場合は「比較検討」の問題

次に、物件詳細ページは見られているのに問い合わせや内見予約につながらないケースです。これは、入居希望者の目には入っているものの、競合物件と比較された段階で候補から外れている状態です。この場合に見るべきなのは、問い合わせ率や内見化率です。つまり、見られている数に対して、どれだけ問い合わせにつながっているかという視点です。

ここで多い原因は、初期費用が高く見えていることです。家賃自体は周辺相場と大きく変わらなくても、敷金・礼金・保証料・火災保険・鍵交換費用などを含めた初期費用が高く見えると、候補から外されやすくなります。特に最近の入居者は、月額家賃だけでなく、最初にいくら必要なのかをかなりシビアに見ています。神戸市内でも、学生や若い社会人、単身者向け物件では、初期費用の見え方が反響に大きく影響します。ここで注意したいのは、すぐに家賃を下げる必要はないということです。

家賃を下げると、毎月の収入が下がるだけでなく、将来売却する際の収益評価にも影響しやすくなります。収益物件は、家賃収入をもとに価格が見られることが多いため、一度下げた家賃は売却価格にも響く可能性があります。そのため、実務上はまず初期費用の調整から検討する方が現実的です。たとえば、敷金・礼金を見直す、フリーレントを付ける、初期費用を抑えた募集条件にする。こうした一時的な費用調整であれば、毎月の賃料水準を守りながら、入居希望者の心理的なハードルを下げることができます。

家賃を下げる前に、まず「入居時の負担感」を調整する。これは、賃貸経営におけるかなり大切な考え方です。

第3の課題|内見はあるのに申し込みが入らない場合は「現地」の問題

月に複数回の内見があるのに、なかなか申し込みにつながらない。この場合、WEB上の条件や写真には一定の競争力があると考えられます。それでも決まらないということは、問題は現地にあります。つまり、WEB上で見た期待値と、実際に現地で見た印象にマイナスのギャップがあるということです。このギャップは、家賃や設備よりも、意外と小さなところから生まれます。

エントランスにチラシが散乱している。
駐輪場が乱れている。
共用廊下が暗い。
ゴミ置き場の印象が悪い。
室内に排水口のにおいが残っている。
スリッパが用意されていない。
照明が暗く、部屋が狭く見える。

こうした要素は、ひとつひとつは小さくても、内見者の印象を大きく下げます。入居希望者は、WEB上の写真を見て「良さそう」と思って内見に来ています。その期待を現地で裏切ってしまうと、申し込みにはつながりません。この段階で必要なのは、大きなリフォームではなく、現地の印象改善です。

共用部の定期清掃を徹底する。
空室期間中は排水トラップの封水切れを確認する。
必要に応じて通水し、におい対策をする。
芳香剤を設置する。
内見時の照明を明るくする。
スリッパを用意する。
玄関や室内の細かな汚れを見直す。

こうした対策は、数千円から数万円程度で実施できることも多く、非常に投資対効果が高い空室対策です。神戸でも、築年数の経った物件ほど、現地の印象で差が出ます。建物そのものが古くても、きちんと手入れされている印象があれば、入居希望者の安心感は大きく変わります。

「家賃を下げる」は最後の手段でいい

空室が長引くと、家賃を下げることが一番手っ取り早い対策に見えます。しかし、家賃の値下げは慎重に考えるべきです。なぜなら、家賃は毎月の収入に直結するだけでなく、将来の物件評価にも関係するからです。たとえば、月3,000円家賃を下げると、年間では3万6,000円の収入減です。収益物件として売却する際には、この年間収入の差が価格に反映される可能性があります。

もちろん、本当に相場より高すぎる場合は見直しが必要です。ただ、PVが少ないだけなのか、問い合わせ率が低いだけなのか、内見後に落ちているのかを見ないまま家賃を下げるのは、かなりもったいない判断です。家賃を下げる前に、まずどこで止まっているかを確認する。この一手間が、オーナー様の収益を守ります。

管理会社との連携で空室対策の精度は大きく変わる

空室対策は、オーナー様だけで完結するものではありません。管理会社や仲介会社との連携が非常に重要です。ただ単に「まだ決まりません」という報告だけでは、次の一手が分かりません。本当に必要なのは、
どれくらいWEBで見られているのか。
問い合わせは何件あるのか。
内見は何件あるのか。
内見後の反応はどうだったのか。

こうした数字と現場の声を合わせた報告です。たとえば管理会社から「月に5件内見がありますが申し込みに至っていません」と報告があれば、第3の課題、つまり現地の印象に問題がある可能性が高いと判断できます。逆に、PV自体が少ないのであれば、写真や検索条件、掲載内容を見直すべきです。このように数字を共通言語にすると、無駄な値下げや過剰なリフォームを避けることができます。空室対策とは、当てずっぽうで施策を打つことではありません。オーナー様と管理会社が数字を共有し、ボトルネックを一つずつ解消していく共同作業です。

神戸で空室に悩むオーナー様へ

神戸の賃貸市場でも、エリアや物件タイプによって空室の原因は大きく異なります。

中心部の単身物件なのか、郊外のファミリー物件なのか。
築浅なのか、築古なのか。
駅近なのか、バス便なのか。
同じ空室でも、原因はまったく違います。

だからこそ、まず必要なのは家賃を下げることではなく、空室の原因を正しく分解することです。当社では、神戸エリアで不動産の売却・買取を専門に行っていますが、賃貸物件のご相談では、空室期間や修繕費、賃料維持の可能性も含めて総合的に判断することが大切だと考えています。今の物件は少し手を入れて持ち続けるべきなのか。家賃を守るために募集戦略を見直すべきなのか。それとも、大きな修繕や空室リスクが増える前に売却を検討した方がよいのか。

こうした判断に迷われているオーナー様は、一度ご相談ください。

空室対策の第一歩は、家賃を下げることではありません。
原因を見極め、最小のコストで最大の効果を出すことです。
神戸で賃貸経営や不動産売却についてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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