国交省の概算要求から読み解く「賃貸経営の4つの未来図」|空き家・高齢者・省エネ・DX

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店長恋水

こんにちは!KOBE(神戸)売却ナビの恋水です。予算の数字から「これからの賃貸経営」が見えてくる国土交通省が来年度に向けてまとめた概算要求は、一般会計だけで7兆812億円(前年比約19%増) という大きな規模になりました。背景には、埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故をはじめとした全国のインフラ老朽化や、土砂災害・地震・津波への備えがあります。インフラ対策だけで1兆円規模、防災・減災対策にも1兆円超が計上される見込みです。国土交通省が来年度に向けてまとめた概算要求は、一般会計だけで7兆812億円(前年比約19%増) という大きな規模になりました。背景には、埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故をはじめとした全国のインフラ老朽化や、土砂災害・地震・津波への備えがあります。インフラ対策だけで1兆円規模、防災・減災対策にも1兆円超が計上される見込みです。一見すると「道路や橋の話」で、賃貸オーナーには関係なさそうに見えますが、実はこの概算要求の中には、

  • 空き家対策

  • 高齢者・子育て世帯への支援

  • 省エネ・改修工事への補助

  • 不動産市場のDX(デジタル化)推進

など、これからの賃貸経営の方向性を示すキーワードが詰まっています。この記事では、国交省の動きから読み取れる「オーナーが知るべき4つの未来図」を整理し、今後の賃貸経営・出口戦略をどう考えるべきかを解説します。


未来図①:空き家・相続問題が「待ったなし」に

ここ20年で、日本の空き家は急増しています。

  • 2003年:約212万戸

  • 2023年:約385万戸

約1.8倍に膨らんでおり、今後は 相続をきっかけに更なる空き家増加 が予測されています。国の方針としては、

  • 老朽化した住宅の除却(取り壊し)支援

  • 空き家の再生・利活用への補助

  • 自治体や専門法人による管理・活用スキームの整備

など、「空き家を放置させない」「流通・再生させる」方向に舵を切っています。

賃貸物件も「将来の空き家予備軍」という意識が必要

今は満室であっても、10年、20年先には「空き家」「売れ残り」のリスクを抱える物件も出てきます。オーナーとして、早い段階から

  • この物件を次世代まで持ち続けるのか

  • どこかのタイミングで売却し、資金を回収するのか

  • リノベ・建替えを含めた再生を目指すのか

といった「出口戦略」を考えておくことが欠かせない時代になりました。神戸エリアでも、築年数の経ったアパート・貸家を相続したものの、活用方法が決まらず空き家化 → 固定資産税だけが出ていく…というご相談が増えています。

「うちの物件は、このまま賃貸として持ち続けるべきか?」
「売却・再生・相続のどこに軸足を置けばいいのか?」

といった整理を、空室が増える前・相続が発生する前に考えることが重要です。

未来図②:高齢者・子育て世帯への対応が「空室対策」の一部になる

単身高齢者世帯は年々増加し、2030年には約887万世帯 に達すると見込まれています。同時に、「孤独死リスク」も社会問題としてクローズアップされています。国交省は、

  • 居住支援法人による見守り

  • 住宅確保要配慮者への支援

  • 高齢者や子育て世帯が入居しやすい環境整備

などに予算要求を行い、「貸しにくい層」の住宅確保を後押ししようとしています。

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「貸しにくい層」をどう取り込むかが、今後の空室対策の鍵

賃貸現場では、

  • 高齢者は「孤独死が心配」

  • 子育て世帯は「騒音トラブルが不安」

といった理由から、オーナー側が敬遠するケースも少なくありません。しかし、今後の人口構造を踏まえると、

  • 高齢者向けに見守りサービス付きで貸す

  • 子育て世帯向けに近隣とのルールや配慮を明文化する

  • 居住支援法人や行政と連携する

など、「貸しにくい層」を戦略的に取り込むオーナーが有利になっていく可能性があります。

「空室対策=若い単身者だけを狙う」時代は終わりつつあり、
高齢者・子育て世帯も含めた“地域の住まい受け皿”としての役割
オーナーに求められている、とも言えます。

未来図③:省エネ・改修投資を後押しする補助金が増える

住宅の省エネ化・バリアフリー改修に対する支援も、今後さらに強化される見込みです。

  • 2025年4月:省エネ基準の義務化スタート

  • 2030年:新築全体の平均でZEH・ZEB水準を目標
    → 既存住宅にも、省エネ改修を促す補助金が拡充

古い賃貸物件をそのまま放置すると、

  • 断熱性能が低く「冬寒く・夏暑い」 → 若年層に敬遠される

  • 光熱費が高い → 入居者の満足度低下

  • 設備の故障リスク増 → 原状回復費・修繕費が膨らむ

といった形で、じわじわと家賃下落や入居率低下を招きます

一方で、給湯器や空調といった設備は円安・資材高騰の影響もあり、更新コストも上昇傾向です。

「補助金を活用しながら先に手を打つ」オーナーが有利に

  • 高効率給湯器への交換

  • 断熱窓・内窓の設置

  • 省エネエアコンへの更新

などは、国の補助金を活用することで実質的な自己負担を抑えながら実施できるケースが増えつつあります。省エネ投資は、

  • 入居者の光熱費負担を軽減 → 満足度アップ

  • 「省エネ賃貸」として差別化 → 選ばれやすくなる

  • 長期的な修繕・設備更新コストも平準化

というメリットがあり、単なるコストではなく**「攻め」と「守り」を兼ねた投資**だと言えます。

未来図④:DXで「隠す経営」から「見せる経営」へ

不動産市場のDX(デジタル化)も、大きなテーマです。国が進めているのが、

  • 不動産IDの導入
    → 住所や建物を一意に特定できる仕組み。令和9年度から試験運用予定。

  • 不動産情報ライブラリの整備
    → 物件ごとに「価格」「災害リスク」「都市計画」などの情報を一元的に閲覧可能。

これにより、今後は

「情報をあいまいにしておく」
というやり方はますます通用しなくなります。

逆に言うと、

  • 耐震補強の有無

  • 省エネ改修の実施状況

  • 浸水・土砂災害リスクへの対策

  • 管理・修繕の履歴

といった情報をきちんと整備して“見せる”オーナーが選ばれていく時代になります。

DX時代のオーナーに求められる視点

  • 「とりあえず安く貸せば埋まる」から、

  • 「情報公開+価値ある設備・管理で選ばれる」へ。

不動産IDや情報ライブラリの普及は、**「隠す経営は難しくなり、見せる経営にチャンスが生まれる」**流れとも言えます。

神戸のオーナーが今からできる3つのアクション

最後に、神戸・阪神間で賃貸物件や不動産をお持ちのオーナー様に向けて、今からできる実践的なアクションを3つ挙げます。

  1. 物件ごとの「未来シナリオ」を書き出してみる

    • この物件は10年後どうなっていてほしいか

    • 持ち続けるのか/売却も選択肢に入れるのか

    • 相続が発生したときのイメージは?

  2. 省エネ・改修・補助金の情報を定期的にチェックする

    • 給湯器・空調・窓など、「そろそろ更新期」の設備を洗い出す

    • 補助金を使えば、どこまで自己負担を軽くできるか検討する

  3. 自分の物件が“見せられる状態”かセルフチェックする

    • 耐震・防災・省エネ・管理の履歴を説明できるか

    • 写真や資料をそろえて、いつでも第三者に見せられる状態か

まとめ:変化の波を「脅威」で終わらせず、チャンスに変える

今回の国交省の概算要求は、単なる数字の話ではなく、

  • 空き家・相続問題

  • 高齢者・子育て世帯への住まいの提供

  • 省エネ・改修への投資促進

  • 不動産情報のDX・透明化

という、賃貸経営の大きな潮目を示しています。

変化の波を「面倒」「怖い」で終わらせるのか、「今のうちに動けばプラスになる」と捉えて一歩踏み出すのかで、5年後・10年後の収益や資産価値には大きな差がつきます神戸で賃貸物件をお持ちのオーナー様、「うちの物件はこの流れの中でどう動くべきか?」と感じられたら、出口戦略・売却・組み替え・相続対策も含めて、一度ご相談ください。

「空き家予備軍になる前にどうするか」
「改修か、売却か、建替えか」
「誰に、どのタイミングで引き継ぐか」

といったテーマも含めて、数字と市場を踏まえたご提案をさせていただきます。

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