
こんにちは。神戸の不動産会社「ミリオン観光」店長の恋水です。本日は、不動産オーナー様が相続対策を考えるうえで重要になる「暦年贈与」と「相続時精算課税」の選び方についてお話していきます。2024年の贈与税改正から2年が経ち、生前贈与の考え方は大きく変わりました。以前は、相続対策といえば「毎年110万円ずつ贈与していく暦年贈与」が定番のように使われていました。しかし現在は、そう単純には判断できません。というのも、暦年贈与は相続財産に加算される期間が3年から7年へ延長され、一方で相続時精算課税には年110万円の基礎控除が新設されました。つまり、昔の感覚のまま「とりあえず暦年贈与でいい」と考えてしまうと、思ったほど効果が出ない可能性があります。神戸や兵庫県で賃貸マンション、アパート、土地などを所有されている不動産オーナー様にとって、贈与は単なる税金対策ではありません。将来の相続、賃貸経営の承継、物件の組み換え、修繕資金の準備、家族間のトラブル防止まで関わる重要なテーマです。今回は、2026年5月時点の制度を前提に、暦年贈与と相続時精算課税の違いを整理しながら、不動産オーナーがどのように贈与を考えるべきかをわかりやすく解説していきます。
2024年改正で何が変わったのか
まず押さえておきたいのは、2024年の改正によって大きく変わったポイントは2つあるということです。ひとつは、暦年贈与の持ち戻し期間が3年から7年へ延長されたことです。もうひとつは、相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設されたことです。
この2つの改正によって、生前贈与の使い方はかなり変わりました。
これまでは、毎年110万円以下で贈与すれば贈与税がかからず、相続開始前3年以内の贈与だけが相続財産に加算されるという考え方でした。そのため、早めに暦年贈与を始めておけば、相続財産を少しずつ減らすことができるというイメージがありました。しかし、持ち戻し期間が7年に延びたことで、亡くなる前7年以内の贈与は相続税の計算に戻される可能性が出てきました。これにより、相続直前の駆け込み贈与は以前より効果が出にくくなっています。
一方で、相続時精算課税は以前より使いやすくなりました。改正後は、年110万円までの基礎控除が設けられ、その部分は相続時にも加算されません。少額を毎年確実に移したい場合には、以前より選択肢として検討しやすくなっています。
事前にLINEアプリのダウンロードをされていない方はアプリのダウンロードが必要となります。
当サービスの利用が初めての方は「友だち追加」を行ってください。
暦年贈与は不利になったのか
では、暦年贈与は不利になったのでしょうか。結論から言うと、必ずしもそうではありません。ただし、以前よりも「早く始めること」の重要性が増したと言えます。
暦年贈与では、相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人から加算対象期間内に受けた贈与については、110万円以下の贈与であっても相続税の課税価格に加算されます。ただし、2026年時点ではまだ経過措置の途中です。2026年末までに相続が開始した場合は3年以内の贈与が対象となり、2027年から2030年までは2024年1月1日から死亡日までの贈与が対象になります。そして2031年以後は、原則として7年以内の贈与が対象になります。
なお、延長された4年間の贈与については、総額100万円までは加算しない取り扱いがあります。つまり、暦年贈与の効果を出すには、より長期的な計画が必要になったということです。相続が近づいてから慌てて贈与を始めるのではなく、健康状態や年齢、資産規模を踏まえて、早い段階から設計することが重要です。
相続時精算課税はなぜ注目されているのか
相続時精算課税は、原則として60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫に対する贈与で選択できる制度です。改正後、この制度には年110万円の基礎控除が設けられました。この110万円部分については贈与税がかからず、さらに相続時にも加算されません。
また、基礎控除とは別に累計2,500万円までの特別控除があり、それを超えた部分には一律20%の税率がかかります。
以前の相続時精算課税は、「一度選ぶと暦年課税に戻れない」「相続時に結局精算される」という理由から、慎重に扱われることが多い制度でした。しかし、年110万円の基礎控除が新設されたことで、少額を毎年確実に移したい人にとっては、かなり使いやすくなりました。特に、不動産オーナー様の場合、将来の相続発生時期が読みづらい中で、毎年少しずつ確実に資産を移したいというニーズがあります。そうした場合には、相続時精算課税が有力な選択肢になります。
結局、どちらを選ぶべきなのか
暦年贈与と相続時精算課税のどちらが良いかは、資産規模や贈与する金額、家族構成、相続までの期間によって変わります。
目安としては、毎年110万円前後の金額を確実に移したい場合は、相続時精算課税が有力です。贈与者の死亡時期に左右されにくく、毎年の基礎控除を活かしやすいためです。一方で、年間110万円を超える金額を長期間かけて移したい場合や、贈与税を一定程度負担してでも早めに財産を移したい場合には、暦年贈与が有効になることもあります。特に資産規模が大きい方ほど、贈与税を払ってでも早めに資産を移すことで、相続時の全体負担を調整できる可能性があります。
大切なのは、「制度としてどちらが得か」だけを見ないことです。本当に考えるべきなのは、誰に、いくら、いつまでに移すのかという設計です。
この順番を間違えると、制度選びが目的になってしまいます。
相続時精算課税を選ぶときの注意点
相続時精算課税を選ぶ場合には、手続きにも注意が必要です。
この制度を選択するには、最初の贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに届出を行う必要があります。期限内に手続きしなければ、制度を利用することができません。また、相続時精算課税は贈与者ごとに選択できます。たとえば、父からの贈与は相続時精算課税を選び、母からの贈与は暦年課税のままにする、という使い分けも可能です。
この点は、不動産オーナー様にとって重要です。家族全体の資産構成や相続予定者の状況によって、贈与者ごとに最適な制度を分けることができるからです。ただし、一度選択した贈与者については、原則として暦年課税に戻ることはできません。そのため、制度選択は慎重に行う必要があります。
不動産オーナーは「税金」だけで判断してはいけない
賃貸オーナー様の場合、贈与の判断は単純な税金対策だけでは済みません。
たとえば、賃貸物件を誰に引き継がせるのか。
修繕資金を誰が負担するのか。
将来的に物件を売却するのか、法人化するのか。
兄弟姉妹間で不公平感が出ないようにするにはどうするのか。
こうした問題が必ず関わってきます。
神戸市内でも、親世代が賃貸マンションや土地を所有しており、子ども世代が今後どう引き継ぐかで悩まれているケースは少なくありません。物件をそのまま残すのか、売却して現金化するのか、法人へ移すのか、家族で共有するのかによって、最適な贈与の方法は変わります。特に共有名義は、将来的な意思決定が難しくなることがあります。賃貸物件の修繕、売却、建替えなどを行う際に、共有者全員の意見が一致しないと話が進みにくくなるからです。そのため、生前贈与を考える際には、単に「相続税が減るかどうか」だけでなく、将来その不動産を誰が管理し、誰が責任を持つのかまで考える必要があります。
2026年時点での現実的な整理
2026年現在の制度を前提にすると、少額を長く確実に移したい場合は相続時精算課税が使いやすくなっています。一方で、まとまった額を長期間かけて移していきたい場合や、資産規模が大きく、贈与税を払ってでも財産移転を進めたい場合には、暦年贈与も引き続き有力な選択肢です。
ただし、どちらの制度も万能ではありません。
相続時精算課税は、一度選択すると贈与者ごとに暦年課税へ戻れない点に注意が必要です。
暦年贈与は、持ち戻し期間が7年に延びたことで、短期的な相続対策としての効果は以前より下がっています。
だからこそ、まずはご自身の資産規模、年齢、健康状態、相続人の状況を整理することが大切です。そのうえで、税理士などの専門家と相談しながら、贈与の方針を決めていくべきです。
神戸で不動産の相続・売却・買取を考えているオーナー様へ
不動産をお持ちの方にとって、贈与や相続は避けて通れないテーマです。特に賃貸物件や土地を複数所有されている場合、早めに方向性を決めておかなければ、相続発生後に家族間で意見が分かれることもあります。
当社では、神戸エリアを中心に不動産の売却・買取のご相談を承っています。
相続前に不動産を整理したい方、賃貸物件を子どもに引き継ぐべきか悩んでいる方、共有名義になる前に売却を検討したい方など、それぞれの状況に合わせてご相談いただけます。
贈与は税金だけで決めるものではありません。大切なのは、次の世代にどのような形で資産を渡すのか、そして家族が困らない形に整えておくことです。神戸で不動産の相続対策、売却、買取についてお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
事前にLINEアプリのダウンロードをされていない方はアプリのダウンロードが必要となります。
当サービスの利用が初めての方は「友だち追加」を行ってください。


