【賃貸経営塾】収益最大化のために!よく準備できた現場は自らセールスする

1月号の大家様への回答で、空室対策とは、「ただ部屋を埋めるのではなく収益確保を第一と考えること」。そのうえで、①適正な査定家賃を知る②投資するかサービスするかを選択すると提言させていただきました。結果として、「それで収益はどうなるのか」という視点で考えることが重要です。今回は、繁忙期のうちに部屋を埋めきる方法について書かせていただきます。

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お客様に決めてもらえる部屋づくり

お部屋探しの主流が店頭や雑誌からインターネットになるにつれて、お客様の行動が一撃必中型になっています。本当に見たい物件を絞り込んで内見を申し込むという傾向です。コロナ禍で人との接触を避けたい気持ちがさらに拍車をかけているようです。この、1つの内見物件に選んでもらうために、上記の2つの原則で決めた募集条件と物件情報を、インターネットで余すところなく発信することが重要です。しかし一方で、お客様はインターネットだけで最終決定をするわけではありません。実際に現地を訪れて部屋を確認せずに決めることはありませんね。そこで最後に、「お客様に決めてもらえる部屋を用意して」決断の後押しをする必要があるのです。

最初に注意したいのは「臭いと明るさ」

まず、お客様は建物の入り口に立ち、お部屋までのアプローチを歩きます。この間に「汚れている」「乱れている」という印象を与えてはいけませんね。特に郵便受けに溜まったチラシや通路に置かれた私物が目につきやすいので、日ごろの管理が大切です。これは、入居者さんの満足度とも深く関係する重要なポイントになります。
そして、内見の本命である部屋の前に立ちます。このドアを開けたときに最初にお客様が感じるのは、「臭いと明るさ」ではないでしょうか。お部屋の間取りとか設備とか、こちらが見せたいと目論んでいる条件以前の問題です。人が暮らしていない締め切った部屋は独特の臭いがしますが、その中でも湿気と下水から上がる臭気は大きな減点になります。これは、定期的な空気の入れ替えと、日ごろの排水トラップへの注水で防ぐことができます。玄関に消臭剤を置くなどの対策もありますね。
明るさは照明の点灯で解決しますが、もし空室時に送電を止めていると、暗い中での内見になってしまいます。スマートメーターの普及で、空室時の電気代という経費負担が大家様には増えましたが、やはり「お客様に決めてもらえる部屋づくり」には電気は必要だと思います。
単身向け以外の居室は照明器具が付いていない物件もあります。通電されても器具がなければ電気は生かせません。一方で、低額で洒落た照明器具が多くなりました。お部屋を良く見せるという観点からも、各部屋に照明器具を設置しておきたいと思います。さらに、空室に設置しておきたい生活用品として、玄関のスリッパとマット、そして各窓のカーテンを挙げさせていただきます。「臭いがしない」「必要な明るさがある」「スリッパ、照明器具、カーテンの3セット」が、内見に訪れたお客様の期待を裏切らないための基本ラインと考えています。

大家様からのメッセージやプレゼントを

これは、他で紹介されている事例になりますが、内見するお客様の印象を良くするアイディアとして挙げさせていただきます。ひとつは、大家様から内見者へのメッセージです。「数あるお部屋の中から選んでいただき有難うございます」という御礼とともに、「この部屋でこう暮らしてもらいたい」という願いをお客様に読んでもらうことは、小さな感動を与えるようです。さらにプレゼントを用意する事例もあります。たとえば、引っ越し時に必要になる掃除用具や洗剤とか、トイレットペーパーやティッシュペーパー。あるいは地元の名産品など。これらを室内に飾っておいて、「このお部屋に住んでいただくお客様にプレゼントします」とメッセージを添えるというアイディアです。

可能ならモデルルームのように飾る

「お部屋をよく見せる」ために分譲マンションなどで必ず採用されるのが、家具や家電をセットしてモデルルームのようにすることです。ガランとした部屋は味気ないものですが、家具を置くことで生活感がイメージできるだけでなく、お部屋の価値まで高くなったような印象を与えます。ただし、経費負担が小さくないことと、設置と片付けの手間がかかります。最近では、家具・家電のサブスクリプションというレンタルサービスも普及し始めています。パナソニックも大家様向けに、賃貸住宅に住む入居者をターゲットにした家電のサブスクリプションサービスを開始したと報道がありました。まだ多くの大家様が利用できる状況ではありませんが、賃貸の近い未来の形態になるかもしれません。
大家様が検討の末に「魅力的な賃貸条件を設定する」ことが第1ステップ。それを、お部屋を探しているお客様が見つけて内見に来ていただくことが第 2 ステップ。そして最後に、「決めてもらえるお部屋を準備してお客様を迎える」のが第 3 ステップということになります。

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