【業界ニュース】半導体工場がもたらす賃貸需要と退去忘れ物

今回のレポートでは、2つの異なるトピックについてお伝えします。まず最初に取り上げるのは、外資系ハイテク産業による工場建設が賃貸住宅ビジネスに与える影響についてです。

半導体需要が賃貸市場に波及

日本の賃貸住宅市場で注目を集めているのは、熊本県菊陽町です。2021年に世界最先端の半導体メーカーである台湾のTSMCを中心とした企業が、巨大な半導体工場の建設を発表しました。これにより、菊陽町では数年間で賃貸需要が急増しています。TSMCを含む周辺企業の総投資額は1兆円以上とされ、この小さな町に大きな変化がもたらされつつあります。工事は急ピッチで進み、すでに1,000人以上の建設関連労働者による賃貸需要が確認されています。最終的には7,000~8,000人の需要が予想され、菊陽町と隣接する大津町では空室が急減し、築20~30年の物件でも一括借り上げが行われるなど、好景気が広がっています。神戸もそのような好景気が来てほしいものです。(笑)

バブル景気への懸念

しかしながら、半導体工場による需要に頼る一本足打法的な不動産投資にはリスクもあります。過去には工場撤退により空室が急増し、建設費用の返済がままならない事例も見受けられました。しかし、政府からの補助金投下や国内建設への期待から、需要は安定するとの見方もあります。さらに、日本国内での半導体生産の重要性が高まる中、外資系企業による投資が今後も期待されています。今年の1月にはTSMCが、日本に二つ目の半導体工場の建設を検討しており、全国的な賃貸需要の動向が注目されています。

ネット通販の普及と賃貸の退去時の住所変更漏れに注意

次に取り上げるのは、ネット通販の普及による賃貸の退去時の注意点です。不動産業界の調査によれば、賃貸の退去時に最も見落としがちなのは、「インターネットショッピングの住所変更」です。さらに、宅配ボックスや「置き配」の利用が増える中、配送業者が受け渡し先の変更を見落すことがあり、大家さんや管理会社が荷物の処理に手間を取られることもあります。このような誤配送を避けるために、退去時にはネット通販サイトの住所変更を確実に行う必要があります。

退去時の忘れ物にも注意

また、退去時に忘れがちなものもあります。調査によれば、物干し竿や自転車、郵便物・宅配ボックスの中身がその代表例です。これらの残置物は新しい入居者を迎え入れる際の準備を妨げることがあります。そのため、入居者側で事前に処理してもらうよう意識付けることが重要です。

まとめ

外資系ハイテク産業の工場建設が賃貸市場に波及する一方で、半導体工場建設により熊本県での賃貸需要急増、菊陽町などで入居率が上昇しています。しかし、バブル景気への懸念もあり、政府補助や日本の半導体確保の重要性から需要は安定との見方も増え続けています。ネット通販の普及により、退去時の見落としや忘れ物が問題視される中で、住所変更漏れや残置物の処理が管理上の課題にならないよう、十分に気を付けていかなければなりません。

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