2026年4月施行の区分所有法改正で何が変わる?老朽化マンションの再生手段と不動産オーナーが考えるべきこと

https://www.kobebaikyaku.jp/wp-content/uploads/2021/06/koimizu-300x300.jpg
店長恋水

こんにちは。神戸の不動産会社「ミリオン観光」店長の恋水です。本日は、2026年4月から施行される区分所有法の改正と、老朽化マンションの再生手段がどのように広がるのかについてお話していきます。神戸や兵庫県内でも、築30年、40年を超える分譲マンションや区分所有建物は年々増えています。見た目にはまだ使える建物であっても、実際には給排水管の老朽化、外壁の劣化、耐震性への不安、バリアフリー対応の遅れなど、さまざまな課題を抱えているケースがあります。これまで、老朽マンションを大きく再生しようとすると、主な選択肢は「建替え」か「大規模修繕」に限られていました。しかし建替えには、区分所有者同士の合意形成、資金負担、仮住まいの問題などがあり、実際には簡単に進まないのが現実でした。今回の区分所有法改正では、総会決議の基準緩和や、所在不明の区分所有者を決議の母数から除外できる制度が創設されるなど、合意形成を進めやすくするための見直しが行われます。中でも不動産オーナーや区分マンション所有者にとって注目すべきなのは、建替え以外の再生手段が大きく拡充されることです。この記事では、2026年4月施行の区分所有法改正の中でも、特に老朽化マンションの再生手段に焦点を当て、神戸で不動産を所有されている方がどのような視点で備えるべきかを解説していきます。
※この記事は2026年3月31日時点の法令等に基づいています。実際の判断は、弁護士・司法書士・管理会社などの専門家にご確認ください。

これまで老朽マンションの再生が進みにくかった理由

老朽化した分譲マンションの問題は、全国的に深刻化しています。建物は古くなり、設備も劣化していく一方で、所有者の高齢化や相続によって、誰が意思決定をするのかが分かりにくくなるケースも増えています。

従来、老朽マンションを抜本的に再生する方法としては、建替えが代表的でした。建替えを行うには、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。数字だけを見ると可能に思えるかもしれませんが、実務では非常にハードルが高い制度です。

なぜなら、建替えには多額の費用がかかり、工事期間中の仮住まいも必要になり、所有者ごとの年齢、資金力、家族構成、将来の考え方が大きく異なるからです。

そのため、話し合いが長期化したり、一部の反対によって計画が進まなかったりすることも多くありました。実際、2025年3月末時点で、全国のマンション建替え実績は累計323件程度にとどまっています。老朽化マンションの数に比べると、建替えが実際に実現している件数は決して多くありません。

また、建物と敷地をまとめて売却したい場合や、建物を取り壊して敷地を処分したい場合には、従来は原則として全員同意が必要でした。全員同意というのは、実務上きわめて難しい条件です。相続人が多い、連絡が取れない所有者がいる、意見が分かれている。そうした状況では、再生の方向性が決まらないまま時間だけが過ぎてしまうことも少なくありませんでした。

2026年4月の改正で、再生の選択肢が広がる

今回の改正で大きく変わるのは、建替え以外の選択肢が多数決決議で実施しやすくなる点です。

改正後は、老朽マンションの再生手段として、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、建物更新、取壊しといった方法が新たに多数決で実施できるようになります。

建物敷地売却は、建物と敷地をまとめて売却し、売却代金を区分所有者に分配する方法です。建物をそのまま残して使い続けるよりも、土地と建物を一体で売却した方が合理的なケースで検討されます。

建物取壊し敷地売却は、建物を取り壊したうえで更地として売却する方法です。取り壊して更地にすることで、再開発や新しい建物への活用がしやすくなる場合に向いています。

建物更新は、躯体を残したまま大規模なリノベーションを行う方法です。完全な建替えよりも費用を抑えながら、一棟全体の性能や価値を高める選択肢として注目されます。

取壊しは、建物のみを取り壊し、敷地については共有のまま維持する方法です。建物が危険な状態にある場合など、まず建物を撤去し、土地の扱いを区分所有者間で整理していくケースで使われます。

従来は、こうした選択肢の多くが全員同意を前提としていたため、実行が非常に難しい面がありました。今回の改正により、原則として区分所有者および議決権の各5分の4以上で決議できるようになる点は、大きな前進といえます。

一定の客観的事由がある場合は、4分の3決議に緩和される

さらに重要なのは、一定の客観的事由がある場合に、決議要件が4分の3に緩和される点です。

対象となるのは、耐震性不足、火災安全性不足、外壁剥落の危険、給排水管の腐食、バリアフリー基準への不適合という5つの事情です。

これらは、老朽化マンションで実際に問題になりやすい項目です。特に神戸や兵庫県内でも、築年数が経過したマンションでは、給排水管の更新、外壁の安全性、耐震性能の確認が課題になることがあります。

こうした客観的な問題が認められる場合には、再生手段の決議要件が5分の4から4分の3に引き下げられます。さらに、政令指定災害で被災した場合には、3分の2まで緩和される制度も設けられています。

ただし、ここで注意が必要です。単に「古いから」「不安だから」というだけでは足りません。緩和要件を使うためには、客観的事由に該当することを確認する手続きが必要になります。耐震診断や専門家の調査、建物の状態を示す資料など、客観的な根拠を整えておくことが重要です。

所在不明区分所有者を母数から除外できる制度も重要

今回の改正では、所在不明の区分所有者を裁判所の決定によって決議の母数から除外できる制度も創設されます。

これは、老朽マンションの合意形成において非常に大きな意味を持ちます。

築年数が経ったマンションでは、相続が発生して所有者が変わっていたり、登記簿上の住所に連絡しても届かなかったり、誰が本当の所有者なのか分かりにくくなっているケースがあります。こうした所有者がいると、議決権の計算や合意形成が止まってしまうことがあります。

改正後は、一定の手続きを経て裁判所の決定を得ることで、所在不明区分所有者を決議の母数から除外できるようになります。これにより、実際に意思表示できる所有者の間で合意形成を進めやすくなります。

もちろん、手続きには慎重さが必要です。しかし、これまで一人の所在不明者によって全体の再生が進まなかったようなケースでは、大きな改善につながる可能性があります。

\不動産の管理や売却などのお悩み、ご相談下さい!/

事前にLINEアプリのダウンロードをされていない方はアプリのダウンロードが必要となります。
当サービスの利用が初めての方は「友だち追加」を行ってください。

再生手段の拡充は、資産価値維持だけでなく紛争予防にもつながる

今回の改正は、単に老朽マンションの処分や再生を進めやすくするだけではありません。区分所有者間の紛争を予防する意味でも重要です。

これまでは選択肢が限られていたため、修繕を続けるのか、建替えるのか、売却するのかという議論がまとまらず、管理組合内で対立が長引くことがありました。特に高齢の所有者と若い所有者、居住している所有者と賃貸に出している所有者では、考え方が大きく異なることもあります。

新しい制度により、建替えだけでなく、建物敷地売却や建物更新など複数の選択肢を比較できるようになれば、議論の幅が広がります。

「建替えは難しいが、一棟リノベーションなら検討できる」
「このまま維持するよりも、建物と敷地を売却して分配した方が現実的」
「建物は危険なのでまず取壊しを進めたい」

このように、物件の状態や所有者の状況に応じて、より現実的な選択肢を検討できるようになります。

管理組合が今から準備すべきこと

改正法が施行されたからといって、すぐに再生が進むわけではありません。むしろ、制度を活かすためには、施行前後からの準備が重要になります。

まず必要なのは、区分所有者名簿の整備です。誰が所有者なのか、連絡先は最新なのか、相続登記は済んでいるのか。こうした基本情報が曖昧なままだと、いざ再生を検討しようとしても話が進みません。

次に、管理規約の見直しも必要になります。改正法施行後は、旧法に合わない規約条項が問題になる可能性があります。決議要件や手続き、議案の出し方など、改正法に対応した規約整備を進めておくことが大切です。

また、総会で再生手段を検討する場合には、招集通知に記載する議案の内容にも注意が必要です。後から「内容が十分に示されていなかった」と争われないよう、議案の要領を分かりやすく、かつ正確に記載する必要があります。

管理会社、弁護士、司法書士、建築士、不動産会社など、早い段階から専門家と連携しておくことが、合意形成を円滑に進めるポイントになります。

神戸の区分マンション所有者・不動産オーナーが考えるべきこと

神戸市内には、昭和から平成初期に建てられたマンションも多くあります。駅近や利便性の高い場所にある一方で、建物の老朽化や修繕積立金不足、所有者の高齢化といった問題を抱えている物件も少なくありません。

今回の区分所有法改正によって、こうした老朽マンションの再生や処分の選択肢は広がります。

ただ、選択肢が増えたからこそ、各所有者にとっては「自分の不動産をどうするべきか」を考える必要があります。

そのまま所有し続けるのか。
管理組合の再生方針に合わせて動くのか。
将来の負担が増える前に売却するのか。
相続が発生する前に整理しておくのか。

特に、区分マンションを賃貸に出しているオーナー様にとっては、今後の修繕負担や管理組合の方針が、収益性に直接影響します。築古マンションでは、管理費や修繕積立金の増額が避けられないケースもあります。建物更新や売却方針が議論されるようになれば、所有者としての判断も早めに求められる可能性があります。

神戸で区分マンション・不動産売却を検討されている方へ

区分所有法の改正によって、老朽化マンションの再生手段は確実に広がります。これは、管理組合にとっては前向きな変化である一方、個々の所有者にとっては「持ち続けるべきか」「売却すべきか」を見直すきっかけにもなります。

当社では、神戸エリアを中心に不動産の売却・買取のご相談を承っています。区分マンションを所有されている方、賃貸に出している物件の将来に不安がある方、管理組合の動きや今後の修繕負担が気になっている方は、一度ご相談ください。

築年数が経ったマンションでも、立地や管理状況によって評価は大きく変わります。逆に、将来の修繕負担や合意形成リスクを考えると、早めに売却を検討した方がよいケースもあります。

法律改正は、単なる制度変更ではありません。
不動産の持ち方、売り方、次世代への引き継ぎ方を見直すタイミングでもあります。

神戸で区分マンションや収益不動産の売却・買取をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

\不動産の管理や売却などのお悩み、ご相談下さい!/

事前にLINEアプリのダウンロードをされていない方はアプリのダウンロードが必要となります。
当サービスの利用が初めての方は「友だち追加」を行ってください。